月別アーカイブ: 2019年6月

「フェイスブックの新たな仮想通貨Libraについて」を読んで

株式会社フィスコ(代表:白井一成)の客員アナリストであり、 ビットコイン研究所の代表でもある大石哲之氏によるコラムで、先週触れたFacebookの仮想通貨「Libra」が取り上げられていたので注目してみます。

詳細が露わになってきたFacebook主導の仮想通貨「Libra」。大石氏は、ポイントの延長線にあるような、使い勝手の良いものを予想していたそうですが、その性質は予想に大きく反していたと指摘しています。

まず、複数の法定通貨のバスケットにペグする形態であること。そして、UTXO型ではなくアカウント型で運用すること。また、提携企業内部の経済を協力に推し進めていくものという予想が外れ、「新しい仮想通貨作ったんでよろしく!」と外部に委ねる部分が多くありそうなこと。

コラムでは、この3つの点から「Libra」を「非常に中途半端なもの」と位置付けています。たとえば米ドルとのペグではなく、バスケット制を採用しているために世界中の誰から見ても外貨のような使い勝手になってしまう。そして、通貨利用をメインにすると考えればアカウント型のスマートコントラクトはセキュリティ面に不安が残ってしまうと考えられます。

コラムでは、Facebookの大規模なユーザーベースは魅力であるものの、他のスマートコントラクトと比較して何か秀でている点があるわけでななく、代替プラットフォームが増えただけに過ぎない、と厳しい評価も。

仮想通貨としてはいまいち評価が低そうな「Libra」ですが、Facebookの圧倒的なユーザーベースがそこを支える形で普及するか、それとも市場も同じように厳しい目で評価するのか。株価とあわせて注視していきたいと思います。

「FB株上昇、デジタル通貨『Libra』発表で」を読んで

Yahoo!ファイナンスで見ることができる「ビットコインニュース」(執筆:フィスコ)から、「FB株上昇、デジタル通貨『Libra』発表で」に注目してみました。

Facebookといえば、フェイスブックやインスタグラムなどを展開するSNS業界最大手企業ですが、そんなFacebookが18日に新たなデジタル通貨「Libra」を発表。アプリやSNSの利用者に向けたサービスとなり、2020年からサービス開始。インスタグラムやメッセージング上で「Libra」を使って買い物したり、送金したりすることができるようになるといいます。

目指すのはビットコイン同様にグローバルなり用とのことで、プラットフォームやイーコマースの広告としても機能しうるとの指摘もあるそうです。既にビザカード・マスターカード、スポティファイなどとのパートナー関係が結ばれているようです。

現在フェイスブックやインスタグラムの利用者は全世界で25億人にものぼるとのこと。そんな膨大な利用者を対象に、統一的な支払いシステムの開発やパートナー獲得に成功したとすれば、1.4兆ドルにものぼる規模のイーコマース市場を獲得できる可能性があるとニュースでは指摘されています。これはAmazonをも脅かす成長規模となり、期待が高まっているそうです。

この発表を受け、ビットコインは一年ぶり高値を更新する動き。Facebook株も一か月ぶりの高値を更新、さらに、パートナーとなることが公表されたビザ、ペイパルも高値更新となり、「Libra」への期待値の高さが伺えそうです。

Facebook・インスタグラムといえば日本でもかなりメジャーなSNS代表格。一利用者として新たなサービスも楽しみですが、今後の値動きやサービス開始前後のビットコインへの影響なども興味深いですね。

「日本円と米ドルがビットコイン取引で9割以上のシェア」を読んで

フィスコがYahoo!に投稿している「仮想通貨コラム」から「日本円と米ドルがビットコイン取引で使われる通貨の9割以上のシェア」に注目してみました。

今年2月1日をデータに、世界中のビットコイン取引で使われた通貨をフィスコが調査したところ、1位が日本円、2位が米ドルという結果になったそうです。さらに、日本円と米ドルを合わせると全体の93.95%にもなり、圧倒的なシェア率だったそうです。

日本といえば、昨年に「コインチェック」が大規模流出事件を引き起こし、仮想通貨業界からは少し遠ざかったのかと思っていました。でも、仮想通貨と最も交換されている現実通貨であるという結果は驚きですね。それだけみんな仮想通貨に興味を持っているってことなのかなぁ。

コラムでは、米ドルはアメリカだけじゃなく、世界中の国で使われている通貨であることにも注目。少なくとも15の国で通貨として米ドルが使われているだけでなく、米ドルと固定相場制(為替レートを固定する制度)を採用している通貨も多いそうです。推計ですが、米ドル紙幣のうち65%はアメリカ国外で使用されているとの結果もあり、ビットコイン取引での米ドルのシェア率が必ずしもアメリカ単体のビットコイン人気とは結びつかないことを指摘しています。

そういった背景も考えれば、日本円が米ドルを抑えて首位を獲得したことは日本のビットコインに対する人気の高さを表していることが分かります。仮想通貨と法定通貨を結び付ける架け橋のような通貨という位置づけでは、現段階では日本円と米ドルが圧倒的な2強状態にあるといえますね。

フィスココラム「ビットコイン価格とGoogle検索」を読んで

フィスコがYahoo!で投稿している「仮想通貨コラム」から、「ビットコイン価格とグーグル検索の納得の関係」に注目してみました。

ここ1年で見られたビットコインの値動きと、Google検索のトレンドを比較してみると、値動きに大きな変動があるとトレンドに「ビットコインを買う」という検索が増えるというもの。しかもこれは、ビットコインの価格が上昇したとき、下降したときどちらにも共通しているそうです。

ビットコインの価格チャートと「ビットコインを買う」という検索トレンドの山がほぼ一致しているという指摘。さらに、2018年秋にビットコインが急落したときも「ビットコインを買う」という検索が急増したそうです。コラムでは、これを「仮想通貨の投資家は、大きな価格変動に関心を持つ」と結論しています。

でも、コラムでも指摘されているように、Googleの検索トレンドは具体的なデータとして参照するにはあまりにも精密性に欠けるとのこと。それでも、ビットコインの価格変動と購入意欲に何らかの関係性があることは明らかだとしています。

仮想通貨の先駆けとして世界的に広がった「ビットコイン」。いまだに社会の関心は高いように感じます。価格が上がれば「話題を集めている」、価格が下がれば「今がねらい目」のような感じで、いずれにしてもポジティブな捉え方がその背景にあるのかもしれませんね。Googleの検索トレンドがもっと高い精度で知れれば、なにか面白い分析もできそうなんだけどなぁ。